姫路市立水族館 企画展 2026年
「ひめすい開館60周年!」
3.ひめすいの挑戦 水生昆虫、飼育展示のトピック



当館では1979年に河川昆虫の飼育に挑戦し、1980年にタガメの展示を開始、
1990年に水生昆虫の展示コーナーを開設。
その後も多くの水生昆虫の繁殖に取り組んでいます。
黄緑色の壁に掲示された3枚の解説パネルの内容を左から順に抄録します。

「タガメの調査研究と高い繁殖技術」・・・当館は1990年代からタガメの調査・研究に取り組み、
卵が外部から水分を与えられないと乾燥して死んでしまうこと、
そのためオスが卵に水を与えていることを解明。
近年は各地で生息数が激減し、法律によって販売が禁止されるなど、
タガメの入手が難しくなっている。当館では毎年安定した繁殖を行っており、
他の動物園・水族館にも提供されている。
1989年にメスの特異な行動が観察された。それは卵を守っているオスに襲い掛かり、
卵塊を破壊してから自分の卵を産み付けるというもので、
自らの繁殖のために他者の子を殺す行動は昆虫では世界初の発見となった。

「ヒメタイコウチの救出」・・・1997年、小野市のほ場整備区域内で絶滅の恐れのある動植物が
発見された。当館が詳しく調べたところ、絶滅危惧種であるヒメタイコウチが多数おり、
土地改良事務所と協議のうえ、新たに造成した湿地に移動させた。
この生きものに配慮したほ場整備事業は画期的な事例として注目された。

「オオミズスマシの繁殖」・・・オオミズスマシの幼虫は蛹になるために上陸するが、
その環境条件が難しく、試行錯誤しながら条件を探っていき、繁殖技術を確立することができた。
本種の繁殖についての文献は何十年も前のものしかなく、手探りでの挑戦だったが、
結果、日本では40年ぶりの快挙となった。





「飼育展示のトピック」の解説パネル。
内容を左から順に抄録します。

「日本初のタッチング・プール」・・・1980年4月、日本初の大型タッチング・プールが
設置された。水槽は楕円形で、長径4.3m、短径2.7m、深さは30cm。
展示生物に直接触れるという発想は当時画期的なもので、
その後全国の水族館に広まることになる。

「元祖!マアナゴの土管展示」・・・マアナゴは神経質なため、飼育展示には隠れ家を
用意するとともにマアナゴが見える工夫が必要になる。
そこで1969年から行われているのが土管展示である。
マアナゴは体が触れ合う方が落ち着くようで、土管の手前を少し上に向けることで皆が
頭を手前に向けて並ぶようになる。

「スナメリの飼育」・・・播磨灘にも生息するスナメリを当館で飼育した記録が残っている。
1971年1月に小豆島(しょうどしま)沖で保護された個体は飼育係の手から小アジを食べるまで
慣れたものの、3月に衰弱して死亡。胃の中にはビニール袋やボタンなどが詰まっていた。
1971年6月には家島(いえしま)沖、1973年5月には高砂沖でそれぞれ幼体が保護されたが、
いずれも衰弱していて数日で死亡。現在はスナメリは飼育していないが、出現状況を記録している。

「ペンギンショー」・・・1973年3月、明石市にあった水族館の廃園に伴い、1羽の
フンボルトペンギンが当館に初めてやってきた。とても人懐こい性格で、1980年代にかけて
飛び板からのダイビングや水中輪くぐりショーを行っていた。
現在では動物福祉の観点から、このようなショーは適切でないと考えられる場合もある。


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